A6

A

世界の内は有、外は無、しかし有は即座に無であり、内は外に通じ、無の内に再び有が有る。 それが時である。時は今に内在する。だが今そのものが時である。だから飛去する。だが飛去するだけではない。一つの瞬間が一つの世界であり、一つの瞬間が去れば、ま…

A5

A

世界の全体があり、それから私がいる。私は存在の一部分に過ぎない。 だが世界は、「私によって」知覚され、思考されたことの全体ではあるのだろう。世界は私の表象である。 いや、そうではなく、「私によって」ということがまた一つの意味的構成に過ぎない…

A4

A

関わりとは何か? まず、識別されていることだ。それから、意味を持って結合されていることだ。ーーどういうことか? 世界は一個の全体だ。全体として、一挙に生起している。ーー生起していない部分は無いのか? 私が見ていないもの、考えていないこと、知ら…

A3

A

あるものがあり、別の時にまた別のものがあると考えたら、その両者はどう関係することができるか。 過去と現在を時間が媒介し、繋ぐのだろうか? そうではない。過去と現在が繋がっていると言えるのは、両者が共に今此処に並び立ち、接し、関係づけられてい…

A2

A

時間があるということは、過去と現在と未来があって、その三者が関わり合うということだ。今この瞬間に、過ぎ去ったものと、未だ来ないものが同時にある。だから時は因縁だ。 時間そのものが因縁であり、また時間の内に生起する物や人、存在者の相互関係もま…

A1

A

私と時、有と時。時間は、経つ・流れる・過ぎ去る等と言うが、それだけではない。私はずっと此処にいるし、今に留まっている。時間が勝手に流れて去っていくなら、それは私を置き去りにしていくはずであって、それを間隙として感じることができるはずだ。そ…